合気道の段位

合気道を始めて、短くて4、5年で初段の審査を受けることができます。
入門後は、まず5級(小年部は10級)から始めて、稽古日数と熟達度に応じて1級まで昇級します。
1級の上が初段ですが、初段の審査では70程の技を習得しているかどうかが問われます。
「技」も大切ですが、「心(心がけ)」と「体(武道としての体)」も段位に相応しくなっていなければなりません。
人格形成を目指す合気道ですから、どのような人格を形成するのか、早くから意識しなければならないでしょう。

合気道では、六段を許されると「師範」と呼ばれますが、柔道、剣道などのように、「錬士」、「教士」、「範士」という称号はありません。

一般に、日本武道館が八角形であるように、武道では「八」という数字が完全を意味しているので、八段が最高段位ですが、特に優れた人には「九段」、「十段」が与えられています

合気道の服装

合気道着(合気道衣)を身に付けますが、これは、上衣が刺子(さしこ)になっています。
刺子にしているのは、受身を取った時に摩擦面の面積を小さくして、擦り傷を防ぐためです。
軽くて持ち運びに便利なので空手着にする人もいますが、それでも差し支えありません。

袖の長さは、手首を持つ技があるので、手首が5~10 cm程度見えるものが良いです。
道着を身に着けるときには、男女とも右前(向かい合った人から見て右側の襟が上になる着方)にします。時代劇を見ると、男女とも着物を右前で着ているのが分かると思います。

道着の色は白です。柔道着の試合でカラー柔道着が採用されていますが、そもそも白い柔道着を制定したのは、講道館柔道の創始者である嘉納治五郎師範です。
白装束は宗教行事の装束がそうであるように、清潔さ、潔白さ、純粋さ、高尚さを意味しています。空手着はこれに倣ったものと思われます。
合気道の場合も、開祖の植芝盛平翁が、「合気道は羽織袴でするものじゃ」と言われていることから、白に同じ意味が込められていると思います。

帯の長さは、《腰周り×2+100 cm》が適寸です。帯を洗濯するときは、色落ちを防ぐため、水洗いして、陰干しをします、
帯の結び方は、次に示す「一本結び」がすっきりしていて解け難いのでお奨めです。

帯の結び方 「一本結び」参考サイト : 合気道 愉々会・合気道研究部

股下(ズボン)は、紐を締めて腰で留めるようになっていますが、紐が抜け落ちないようにするため、前の方で、紐を糸でズボン本体に縫い付けておくと良いでしょう。

稽古では受身などで膝をつくことが多いので、膝を保護するために、膝サポーター(ニーパッド)を着けるのが良いでしょう。

初心者の場合は、道着でなくてトレーニングウェアのようなもので、膝が露出しないものであれば問題ありません。

袴を着けるのは、男性は初段になってからですが、女性についてはきまりがありません。三級になれば、袴を着ける女性が多いようです。

道場の三礼

「武道は礼に始まり、礼に終わる」と言います。合気道に限らず、日本の武道は、道場での礼を大切にしています。

植芝盛平翁が、講談社の野間道場に合気道を教えに行っていたことがあります。
そこに野間清治社長のご子息の恒氏が居ましたが、剣道界の麒麟児と言われた人で、天覧試合で優勝するなど若いにも関わらず実力が抜きん出た人でした。
この恒氏も、著書の中で道場の三礼について述べていて、道場に対する礼、師に対する礼、稽古相手に対する礼の三つの礼が、神を敬う心と人を尊ぶ心を表すものである、と教えています。

合気道では、開祖の植芝盛平先生も弟子に「お願いします」、「有難うございました」と礼をしていました。
なお、宗教や国によっては、正座をして両手をつくという座礼に抵抗を覚えるところがあります。
その場合には、強制するものではありません。

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