- 素直な心を持つ。- 師の教えを真似る(真似ぶ、学ぶ)だけではなく、真実をありのままに見る心。
- 持たせた手を動かさない。
- 相手の持ちたいように持たせてあげて、相手の気持ちを感じながら(気持ちを受け入れながら、すなわち心を結びながら)自分の体を動かす(捌く)のが先。 - 腕や肩に力を入れない。
- 単なる脱力ではない。手は相手を倒すための道具ではなく、相手を感じ、相手の気持ちを導くもの。
力を入れないでできる理合(技の原理)があるので、それが必ず解かるようになるという気持ちも大事。
そのため、「できない、難しい、不思議だ」という否定的な言葉を自分の心につぶやかないで、「あれ、面白そうだ」とつぶやく。
合気道上達方法 いつまでも大切な要素
合気道上達法方 まず何よりも必要なこと
- 目標(中間ゴールとしての)が有ると無いとでは上達度合いに違いが出ます。
- 目標は、イメージ、ビジョンとして意識化、視覚化します。
- まず、呼吸力や技のイメージ、どのような人間になるのかというビジョンを持ち、いつまでに達成するかを決めましょう。
技については、昇級・昇段審査の時期を一つのステップにするとよいでしょう。 - 目標に到達するための原動力としては、最初の感動、真理を知る喜びや楽しみ、世のため人のためにという使命感、そして励まし合う良き仲間が居るということが欠かせないでしょう。
- 武道の最終目標は、人生の目的(万人共通の命題)そのものになります。
合気道上達方法
上達法とて別に王道(近道)はありませんが、さりとて20年も30年も稽古を続けていながら、いつまでも合気道は(修得が)難しいと言っているようでは、考え方や取り組み方にどこか間違いがあると思わなければならないでしょう。
修得が難しいのは技が複雑だからではありません。技の生命である『呼吸力』というものをよく理解していないため、技の中で満足に『呼吸力』を遣うことができないからです。
理解するという言葉を理合(原理)が解るという意味に捉えれば、その理合がイメージでき、さらに言語化(概念化)できて初めて理解できたということになります。
「合気道では、しばしば”気” “気の力” “気の流れ”という言葉が用いられるが、これが合気道の技の生命として流れる時、その力を呼吸力という。合気道ではどんな技も、どんな動きもこの呼吸力がなくては絶対に正しい技とは言い得ないのである。」(植芝吉祥丸著『合氣道技法』p.79)
「合気は ・・・”気”ばっかりであります。」(合気神髄p.100-101)
また、理合が解っても、正しい反復練習をしなければ、真に修得(体得)するまでに思わぬ時間を要することになってしまいます。
正しい反復練習とは、相手の気持ちを感じ、和合同化する(結ぶ)ことに意識を集中させる稽古です。
この意識やその時に受ける感覚を大切にすることが上達に繋がります。そのような稽古は、いつも心地よさを感じるはずです。
心地よい稽古を続けていると閃きが沸いてきて、どんどん理解の眼が開かれるようになります。
体得とは、激しく辛い稽古によって体に記憶させることではなく、楽しく心地よい稽古をすることにより、その時の体の感覚を脳に記憶させることです(大脳生理学による)。
「技は宇宙の法則に合していなければならないことはいうまでもない。それには正しい念(イメージ、意識)がなければならない。この念で正しい稽古を積まなくてはいけない。」(合気神髄p.174-175)
修得期間について、大先生(開祖)は、「相手の気は相手にまかす。・・・ 無抵抗主義には大なる修行がいる。しかし心を結ぶには三月で足ります。」(合気神髄p.159)とか「合気というものは、初め円を描くこと、つまり対照力(八力、和と統一)。相手に指一本ふれないでも相手は跳んでしまう。この一つのものをつくりあげるにも十年くらいはかかる。」(合気神髄p.119)と言われています。
このことから、まず結びの初歩の習得は三月とし、呼吸力に基づいた技の体得は十年を一つの目安にしたいと思います。
そのため、上達法として大切だと思うことを次にまとめます。